
- ロングテールSEOとは?
- 対策方法とメリット・デメリットを解説
ウェブサイトのSEO対策として重要なのがロングテールSEO。
「掛け合わせキーワードで狙いページを作る」と理解してる方も多く、間違いではないが断片的な理解になってしまっている方も多いのではないでしょうか。
ロングテールSEOはしっかり理解していないとサイト全体を強くすることはできません。
本記事では、ロングテールSEOの目的からメリット・デメリット、ページ単体だけでなくサイト全体を強化するための方法を解説していきます。
一緒に勉強していきましょう。
この記事を書いてる人

本業と副業メディア運営の経験を活かして、悩みを解決していきますね。
目次
ロングテールキーワードとは
ロングテールSEOに使われる「ロングテールキーワード」とは、
- 月間の検索回数が少ないニッチなキーワード
のことを指します。
「3語以上の複合キーワード」のことを「ロングテールキーワード」と説明する人もいますが、「複合キーワード」であることは必須ではありません。
キーワードが複合になるほど検索回数は減るので、3語以上複合キーワード=ロングテールになりやすいですが、単体でもキーワード数が少ないものは「ロングテールキーワード」となります。
ロングテールの由来
「ロングテール」とはクリス・アンダーソンが提唱した「需要の少ないニッチな商品を揃えることで、売上などの成果に大きく貢献する現象」が由来になっています。
2割の要素が全体の8割を生み出しているというばらつきの状態は「パレートの法則(20:80の法則)」と呼ばれますが、この法則にも似てますね。
具体的には、ウェブサイトのアクセス・売上はニッチな商品やキーワード由来のものが80%(それ以外が20%)となることから、ロングテールSEOと呼ばれています。
ロングテールキーワードの例
ロングテールキーワードを具体的に理解するために、「ビッグキーワード」「ミドルキーワード」「ロングテールキーワード」の違いも含めて解説していきます。
ここでは「賃貸マンションを探す」不動産ポータルサイトを例に解説します。
(SUUMOやHOME'Sのようなサイトをイメージしてください。)
各キーワードの例
ビッグキーワード:賃貸マンション
ミドルキーワード:渋谷駅(駅名やエリア名) 賃貸マンション
テールキーワード:渋谷駅 賃貸マンション 学生向け
※「ロングテールキーワード」は「テールキーワード」とも呼びます
上記のように、ビッグキーワードからテールキーワードになるにつれ、複合キーワードになることが多いです。テールになるほど検索回数は下がりますが、CVRが高くなることも特徴です。
ロングテールは上記のように、より具体的な検索キーワードだと理解しましょう。
ロングテールSEOのメリット
ロングテールキーワードについては理解できましたでしょうか。
ここからは「ロングテールSEO」のメリットを解説していきます。
ロングテールSEOのメリットは大きく以下2つ。
メリット①CVRが高い
CVR(コンバージョンレート)とは、サイト内の「訪問者に対するアクション率」のことです。
例えば賃貸マンションを探すサイトであれば、ゴールは「賃貸マンションの問い合わせをすること」。
100人のうち1人が問い合わせをすると、CVRは1%となります。
ウェブサイトで収益を得るためには、基本的に何かしらアクションしてもらうことが必要です。
これがロングテールキーワードの場合、ビッグキーワードよりも100倍高いとも言われており、1つのメリットとなります。
CVRが高い理由
ビッグキーワードである「賃貸マンション」と検索する人の中には、賃貸マンションを探している人もいますが、、
・そもそも賃貸マンションって何?
・分譲マンションとの違いは?
のようにその言葉の意味自体を調べている人も多くいます。
その場合「賃貸物件を探して問い合わせ」する人の割合は減ってしまいますよね。
それに対し、ロングテールキーワードである「渋谷 賃貸マンション 学生向け」を検索する人は、恐らく学生またはその親で、渋谷の学生向けマンションを探しており、そこに住む予定である人がほとんどではないでしょうか。
このように、テールキーワードほど、ユーザーのアクションの意図が明確なので、サイト内でのアクション率は大きくなります。
10,000人のユーザーが来てもアクションが0だと収益には結びつかないので、もし10人しかユーザーが獲得できなくても、アクションが1人いるならテールキーワードのほうが収益性は高くなります。
メリット②サイトパワーが弱くても勝てる
Googleは「検索キーワード」ごとに、ユーザーの検索意図に対する回答として最善なページを上位表示します。
これは「ページ単位」での勝負のように見えますが、ミドルキーワード以上の場合、そのページ単体がどんなに優れていても単体では上位表示が難しいです。
ミドルキーワード以上の戦い方は後半で解説しますが、ロングテールではサイト全体評価が弱いタイミングでも、ページのコンテンツが良ければ勝負できることが1つのメリットです。
ロングテールSEOのデメリット
デメリットと呼べるものは少ないですが、以下3点を注意したうえで対応しましょう。
デメリット①トラフィック数が少ない
トラフィックと売上は比例しないことも多いですが、サイト全体のトラフィックが多いことはサイトの強さを示す指標の1つです。
ロングテールキーワードは領域によりますが、多くても数百程度になるので、ロングテールだけだとトラフィックの拡大は難しくなります。
なので、ロングテールキーワードを作る時は、
・ロングテールキーワードで順位が取れたあと、どのミドルキーワードにリンクを流すのか
最初に考えた上でページを作っていくようにしましょう。
デメリット②検索ボリューム0に注意
キーワードが複合的であり、具体的であるほどCVRは上がりますが、検索ボリュームが0であったり、定期的にしか発生しない場合は注意しましょう。
検索回数がないキーワードを狙ったページはGoogleはほぼ評価しません。
評価されないだけであれば良いですが、当該ページがサイト内の多くを占める場合では、「サイト自体が低品質」とみなされる可能性もあるので注意しましょう。
いつまで立ってもサイトが評価されない場合、そうした「低品質ページ」を削除またはnoindexにすることでサイト評価が上がることも多いです。長期間伸び悩んだ場合は対応してみるのもありですよ。
デメリット③カニバリに注意
ロングテールキーワードのページを多く作ると、意識せずの場合「似たキーワードを狙い、似たコンテンツ」のページが出来上がることもあります。
ユーザーの検索意図が異なるキーワードであれば問題ないですが、似たコンテンツのページは重複コンテンツとしてどちらも評価されないケースもあるので、キーワードの分類には注意しましょう。
ロングテールキーワードの探し方
ロングテールキーワードの探し方は様々ですが、参考に3つ紹介します。
①キーワードプランナーでビッグ/ミドルキーワード入力
僕は基本的にこの方法しか使いません。
キーワードプランナーでビッグ/ミドルワードを入力すると、関連キーワードが関連性の強い順番に出てきます。この一覧をexcelに落とし、上からざーっとチェックします。
似たキーワードなども多いですが、全体眺めると「大きく分類として○○と□□が多い」なども分かるので、表示数が多く大変なことも多いですがキーワードプランナーに慣れることがおすすめです。
②Googleのサジェストをチェック
Google検索窓にキーワードを入力すると、追加キーワードが表示されますが、あれは「関連キーワード」になります。
また、検索結果上の最下部にも関連キーワードが表示されます。
キーワードプランナーを使わずにサクッと時短で知りたい場合はこの方法がおすすめです。
③関連キーワードツール
「関連キーワード取得ツール」 の利用もおすすめです。
②で説明したGoogleサジェストやページ下部の関連キーワード含め、入力キーワードに関連したキーワードを表示してくれます。
キーワードのリアルタイム性がないこともありますが、一目で様々な関連キーワードが見れるので一度試してみると良いですよ。
ロングテールを活用してサイトを強化する方法
ロングテールキーワードを狙ってページを作ると、
- サイト初期でも、
- トラフィックは大きく伸ばせないが、
- CVRが高く、
- 収益が作れる
上記が出来ることは分かりましたでしょうか。
この他にロングテールキーワードを戦略的に狙うと、ミドルキーワード、ビッグキーワードの順位を上げることが出来るのでその方法を紹介していきます。
ビッグキーワードで順位を取る方法
どんなにクオリティが高いページでも、ページ単体の評価でビッグキーワードを狙うことはできません。
ビッグキーワードで順位を取るには、ロングテール→ミドル→ビッグと順番に順位、順位を取ったページから上位ページに内部リンクを流す必要があります。
例として「賃貸マンション」の順位を取るためのステップを以下にまとめます。
ステップ1:ロングテール記事を量産
以下のような記事を量産します。
- 渋谷 賃貸マンション 学生向け
- 渋谷 賃貸マンション カップル向け
- 渋谷 賃貸マンション 駅徒歩5分
- 渋谷 賃貸マンション 激安
- 渋谷 賃貸マンション デザイナーズ
など、「渋谷 賃貸マンション」というミドルキーワードの子供になるような記事を作ります。
※上記サンプルに5つですが、子供記事はミドルキーワードの関連ワードを網羅するほどミドル記事が強くなります。
ステップ2:ロングテール記事からミドル記事へ内部リンク設置
ステップ1のようにロングテールの記事が出来たら「渋谷 賃貸マンション」のページを作り、ステップ1で作った記事から、当該ページへ内部リンクを貼ります。
これにより、ミドル記事は単体だけの評価でなく、関連キーワードを持つ子ページの評価も受けられるので順位向上が期待できます。
ステップ3:ミドル記事からビッグ記事へ内部リンク設置
ミドル記事ができたら、「賃貸マンション」のページを作り、ミドル記事から当該ページへ内部リンクを貼ります。
今回の例だと「渋谷 賃貸マンション」がミドルですが、もちろん「渋谷」だけだと網羅性が全くなく、東京の主要駅/エリアのミドル記事があり、それら全てから内部リンクを設置することでビッグキーワードでの順位が取れるようになります。
下層ページから順位を取り、内部リンクを上位階層へ設置
上記にまとめたように、SEOでは下層ページから順位を取っていき、下層ページで順位がとれたら上位階層ページへリンクを流していくのが基本です。
もちろん最初にビッグキーワードやミドルキーワードの記事を作っておいても良いですが、おすすめなのはロングテール記事を網羅してから上位記事を作っていくイメージ。
始めから検索ボリュームの大きいビッグ/ミドル記事が増えると、サイト内のテーマが広がってしまい、Googleの評価により時間がかかることもあります。
今回は記事を内部リンクで構造化する方法を話していますが、「カテゴリ」を作るのは今回でいうと「ミドルキーワード記事」を作るに近いので、紐づく記事が少ないときはカテゴリ化しないのも手段です。
ロングテールキーワードから順位をとろう!
ロングテールの目的・メリットや、サイト順位向上のための戦略はイメージできましたでしょうか?
最終的に作る記事が同じ場合でも、作る順番次第でサイトの評価タイミングを最適化することはできるのでなるべく戦略的に記事を作っていきましょう。